失業保険の給付を継続するには、求職活動実績が不可欠です。
その際に、転職フェアや転職セミナーに参加する機会もあるでしょう。
ところで、2つのイベントには違いがあることに気付けますか?
同じように見えるイベントでも、やっていることは違うのです。
今回は、転職フェア・転職セミナーについてご説明しましょう。
「転職フェア」では何をしているの?
まずは、転職フェアがどのような内容なのかを、以下のポイントを押さえながらご説明しましょう。
①転職関連の合同説明会
②複数の企業、採用担当者のチェックが可能
③転職の短期決戦が望める可能性がある
上記のポイントは、実際に参加した時に有意義に過ごすためにも知っておくべき内容です。
どのようなイベントなのかを、概要を見てみましょう。
①転職関連の合同説明会
転職フェアを簡単に言うと、複数の企業が開催する「合同説明会」です。
人材派遣会社が主催でになることがほとんどですから、企業数を集めやすいのです。
何より、参加企業は基本的に中途採用を受け入れるスタンスですから、転職者を歓迎していると思ってもらって構いません。
要するに、自分で企業を探すよりも、候補先を早めに探し出すことができるのです。
主催の規模によっては、大規模な施設を1日貸し切って行われます。
このようなことは、やはり自分1人の力では実現できません。
さらに、志望業界や対象年齢によって、開催日程が違うことがありますから、より探しやすい状況を整えて転職者を迎えています。
候補先の企業をとりあえず見つけたいという人にとっては、参加すべきイベントになるでしょう。
②複数の企業、採用担当者のチェックが可能
参加企業が多いと、企業を知る機会が増えることになります。
そうなると、自分に合った社風なのかどうかを、判断することができるでしょう。
企業の雰囲気は、実際に入社してからでないと分からないという時代は終わりました。
事前にチェックできますから、ミスマッチを防ぐことにも役立つでしょう。
また、当日の企業ブースには、採用担当者も参加することがほとんどです。
職場のリアルな情報や、採用の流れ等、ハローワークでは聞けないような話も聞くことができるのです。
細かい情報を知っておくと、転職活動時に有利になるのは間違いありません。
求人票の情報だけでは、知れることが限られています。
それを対面でカバーすることができますので、より働いた時のイメージが持ちやすくなるでしょう。
自分の「働いた姿のビジョン」を持つために、参加してみたという転職の先輩方も多いのです。
やはり情報収集の際に、「自分の目で見る」、「体感する」ということは欠かせません。
③転職の短期決戦が望める可能性がある
また、転職フェアに参加している企業は、ただ自社のアピールをしに来ているだけではありません。
企業もまた、社員になってくれる人をその場で探しているのです。
つまり、何気なく質問した内容も、選考に関わってくる可能性があると言えるでしょう。
よくある事例では、書類選考がパスされ、面接だけで採用になったという人がいます。
その人は、参加した転職フェアでの印象が良かった結果、選考がスムーズに進んだのです。
このように、選考が順調にいった人は少なくありません。
従って、ゆっくり企業を探したい人だけでなく、早期に転職活動を終えたいと考えている人も参加すべきイベントであることが分かります。
どこで働きたいのかを選ぶのは、みなさんさん自身です、数多くの出会いの場を設けている「転職フェア」は、まさにピッタリの場になるでしょう。
「転職セミナー」では何をしているの?
次は、「転職セミナー」についてご説明しましょう。
以下のポイントを参考にして考えると、転職フェアとの違いがよく分かります。
①転職活動を進める上で必要なことを学ぶ講座
②業界の基本知識を学ぶことができる
③主催によって雰囲気が異なる
転職セミナーの詳細を知ると、自分がそもそも行くべきかどうかも分かります。
参加するならば、効率よく、実りのある形にしたいところです。
具体的な内容を見ていきましょう。
①転職活動を進める上で必要なことを学ぶ講座
転職セミナーは、転職活動をする上で必要な「マナー」や「知識」を教えてくれる場になります。
簡単に言うと、「講座」と表現できるでしょう。
例えば、初めて転職する場合は、新卒採用時と違った中途採用向けの履歴書の作成や面接の対策が必要になります。
それを自分で調べて、面接本番にまで持っていくのは、なかなか骨の折れることです。
自分でできる人もいますが、誰かのサポートが欲しい人も多いでしょう。
また、そのような情報をどうやって探せば良いのか、前提が分からなくて困る人も多いのです。
このような状態になっている人は、是非参加を検討してみて下さい。
②転職活動や業界の基本知識を学ぶことができる
そして、セミナー内で学べるのは、転職時の知識だけではありません。
①の内容にも関連しますが、転職セミナーには「転職活動」と「業界や分野」ごとに必須な基本知識セミナーの2種類があります。
②で取り上げているのは、業界ごとの知識が学べる内容になりますので、2つを利用する人もいれば、1つだけ参加する人もいます。
参加の有無は、自分にとって本当に必要なセミナーなのかどうかで判断されますから、状況に応じて考えましょう。
未経験の業界の場合は、業界の特徴も学ばなければなりませんから、転職活動と同時並行で進めることが大変です。
業界の特徴や基本知識もプロから学べますから、参加するだけでも意味があるのです。
従って、転職活動のスタートラインに立つための学びの場として、考えると分かりやすいでしょう。
特に、業界によっては取得が必須の資格もあります。
資格取得には時間がかかりますから、早い段階で情報を知って、転職活動の準備として取り組めると理想的です。
今の自分に何が足りていないのか、それを学ぶこともできるのです。
③主催によって雰囲気が異なる
ところで、転職セミナーといっても、主催によってセミナーの雰囲気が全く異なります。
参加する場合でも、自分に合った内容の場所を選べると、役立つ情報を集めやすいでしょう。
代表的なセミナーには、以下の内容が挙げられます。
・転職フェア内で行われるセミナー
・転職サイト主催で行われるセミナー
・有料の転職セミナー
・ハローワーク主催の転職セミナー
転職フェア内で行われているセミナーの場合は、企業の説明会と同時に開催されます。
そのため、必要な知識を学びながらも、企業のリサーチが一緒にできるメリットがあり損はありません。
転職サイト主催の場合は、全国規模で行われていますから、開催日程も比較的多く、参加しやすい特徴があります。
そして、みなさんに一番馴染みがあるのは、ハローワーク主催のセミナーになるでしょう。
ハローワークの担当者から勧められるだけでなく、公的機関が開催しているセミナーですから、信頼度は高いです。
近場で、気軽に参加しやすい特徴もありますから、1度は覗いて見ても構いません。
有料セミナーは、民間の企業や団体が開催していることが多いです。
参加費は、500円程度でOKなものから、1万円といった高額な設定まで幅があるため、どれに参加すべきか、迷ってしまう人もいるでしょう。
有意義な情報を得られれば良いのですが、中には高額な教材を買わされたというケースも見られますから、詐欺的な要素がないか、受講する際はよくチェックするようにして下さい。
いずれのセミナーも、共通する内容と独自の内容がそれぞれあります。
自分の欲しい情報はどこだと手に入れやすいのか、この視点から、参加するセミナーを選んでみて下さい。
2つのイベント内容を知ると、目的に応じて使い分けができるでしょう。